オーガニック・無添加・食品のお店

何のために、だれのために、、。

今日は旗日だ。最近気が付いたが、玄関に国旗を掲揚する家が少なくなった。工場は本来は休みだがパートさんに来ていただいて営業した。日頃の遅れを取り戻した。

福井市内で行われた「自然栽培を知ろう!自然栽培で作ったお米や野菜などの試食&交流会」に参加した。最初は羽咋市役所農林水産課の高野氏の講演のあと、実践者の取り組み4名の発表があった。レジュメをみたら私の名前が書かれていた。困ったなあぁ~と思ったが、後に引けず一言しゃべった。

実はわたくし本当のことを申し上げると、こういった会は苦手でずいぶん昔から参加しないことにしていた。が、よくわからないけど人に勧められるままに参加していた。私は議論よりもこれからは実践が必要と考えている。

講演の高野氏の話の中で、現在自然栽培のコメは1kg700円で販売されていると聞いた。このうち生産者の手取りが500円であるらしい。コメ一俵が3万円になる。100俵作って300万円。一反に欲出さずに5俵の収量があるとすると、100俵作るのに2町の田んぼが必要となる。現実年収300万では市民的な生活が遅れないから倍の6百万の売り上げが最低必要となる。面積では4町が必要で、減反が30%ならば5町7反程の経営面積が必要となってくる。

次に消費者のサイドから見ると、産直で買ったとしても10kg500円となり、売ってる米から見れば安くはないほうだ。米一キロが500円、お茶碗一杯のごはんが200gほどだから、元の炊く前の米は約100gとなる。お茶碗一杯50円となる。農薬不使用、化学肥料不使用の自然栽培の茶碗一杯の米代が50円。これが安いか高いか、考えてみればわかる。年間50円×3食×365日=54,750円。毎日三食米を食べるわけではないと思うが、計算上はコメの重量で109kg消費することになる。人にもよるだろうが、低く見積もって大体60kgは食べるのでないかと思う。

生産者と消費者が連携して成り立つためには、生産者は200俵は販売しないといけないから200人の消費者を見つければ理論上はやっていけることになる。1生産者たり200人の消費者を見つければ自然栽培のコメ作りが継続可能となる。この組織をどうやって作っていくのかが課題でないかと思った。10人の生産者ができれば2000人以上の方を養っていけることになる。

1970年、この年に初めて母乳に農薬が検出されて記事が新聞に載った年である。何も知らない普通の善良な市民の皆さんが、普通にお買いものして野菜や果物やコメなどを食べていて農薬が検出されたのである。あれから40年。その母乳を飲んで育った人が大人になり、世代交代が起こった。その結果アトピーだとか化学物質過敏症だとかいう子供が増えた。さらにこのまま30年なり40年たって再び世代交代が起きた時、どうなるのだろう。食べ物の汚染をなくすようにしていかないと、犠牲者はわれわれでなくて未来の子供たちだ。

ご商売だから損する得するという「損得」の価値基準も大切だが、これからは「生命価値」「環境価値」といった物差し、価値基準、世界観、美学、哲学がどうしても必要となってくる。何のために自然栽培を行うのか、だれのために自然栽培を行うのか、改めて知った一日であった。

この記事に関連するかもしれない記事

河崎 宏

マルカワみそ

マルカワみその社長を務めております。これからの時代は、ますます命にかかわる「生命産業」が、社会から必要とされることになる。「和食のみそを中心に、食と健康の貢献企業」を目指してまいります。

プロフィールを見る

月別

マルカワみそ オンラインショップはこちら