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味噌屋の競合相手

昔、20~30年ほど前の味噌屋の競争相手は、同業者の味噌屋であった。同業者どうしがしのぎを削って企業努力してライバル会社に打ち勝って生き延びてきたのである。その次に、世の中変わってきて、一人当たりの米の消費量が減ってきた。パン食なんかが普及してきた。その結果、米を食わなければ、当然味噌や醤油の出番がなくなってくるので、同時に全国的な味噌・醤油の生産量がドンドン減っていってしまった。マクドナルドを食べた分、パンを食べた分、パスタ・ピザを食べた分米食わないのだから、味噌屋の敵は、今までは同業者であったのが、マクドナルドや、山崎パン、宅配ピザ、サイゼリアなどがわれわれの”敵”、競合相手に変わってしまった。

12月12日に、県民福井のトップに興味ある記事が載っていた。それは県内の専業農家の農産加工の経営多角化が進んでいる内容であった。拝読すると、県内農業はコメへの依存度が高い為に、米価の下落や生産調整に伴って農業出荷額は年々減少している。農水の統計によると、1984年のピーク時に864億円だったのが、09年には約半額の439億円までに下がった。米価の低迷でコメ依存の農業構造が変わり、コメ需要回復に悲観的であるため加工の売上で米価の下落分をカバーする動きにある。05年と10年の五年間で、農産物の加工を行っていた所は、225社から363社に、貸し農園・体験農園当は43社から86社に、観光農園は44社から51社に、農家民宿は34社が36社に農家レストランは9社から13社に増えてきている。農業を取り巻く環境は厳しさを増すばかりで、こうした動きは今後も加速するだろうと述べられていた。

ライバルは、同業者から、外食産業に変わり、そして今農業生産者に移ろうとしている。コンビニよりも数が多いといわれいる直売所に、農家っぽさで人気を集めている手作り味噌に人気があるようだ。第二種”兼業味噌屋”の台頭だ。

そういえば最近は農業生産者から、自社農場で取れた大豆やコメを味噌加工して欲しいとの依頼が増えてきている。”専業味噌屋”にとっては危機でもあり、ビジネスチャンスでもあるようだ。

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河崎 宏

マルカワみそ

マルカワみその社長を務めております。これからの時代は、ますます命にかかわる「生命産業」が、社会から必要とされることになる。「和食のみそを中心に、食と健康の貢献企業」を目指してまいります。

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